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行った、行ってみたい有名蕎麦店

 今は卒業したが、若い頃は有名蕎麦店の食べ歩きをしていました。
 その経験を基にして、以下のようにとりまとめてみました。
 参考資料は、「東京B級グルメ」ムック版(文藝春秋、平成3年)、各店のホームページ、ウイキペディア、

砂場系
・砂場総本家  荒川区南千住1  文化年間(1810頃)
 字は「糀町七丁目砂場藤吉」。大正元年、現在の三ノ輪商店街へ移転。戦前の三ノ輪は遊郭があってり栄えていたためだろう。
 総本家の名を汚さない味を維持している家族経営のほほえましい店。
 昭和29(1954)年建築の木造の店舗は、荒川区の文化財指定を受けている。
 ホームページ無し、親睦会未加盟などのため、情報はウイキだけ。
 砂場の屋号は、天正11年(1583)創業地の大阪城築城時の砂置き場に由来するとのことだが、現在の砂場系との関係は不明。

・虎ノ門大坂屋砂場  港区虎ノ門1  明治5(1872)年
 糀町七丁目からの暖簾分。
 かなり昔に食べたが、年のいったリーマンが多い印象だけで、味の方は記憶に無い。
 ホームページ無し、親睦会未加盟などのため、情報はウイキだけ。

・巴町砂場(未食)  港区虎ノ門3  天保10(1839)年
 この地で初代大坂屋長吉が創業したという。
 旧町名は芝西久保巴町なので久保町砂場とも呼ばれるらしい。
 木鉢会の自己紹介では、砂場の名称について総本家と同様のことを書いているが、関連は書いていない。南千住との関係も不明だが、江戸末には大阪の砂場に由来すると自称する店が多くあったのだと考えるのが合理的な解釈だろう。

・室町砂場  中央区日本橋室町4  明治2(1869)年
 30年以上前だが、量の少なさに怒りを感じ、老舗巡りを止めたきっかけの店。
 木鉢会の自己紹介では、「大阪屋砂場の系譜より暖簾を得て、初代は幕末、高名輪・魚藍坂に独立。後に、明治2年日本橋の現在地に移転し店を構える。戦後の町名変更により石町が室町に変わったため、室町砂場となる」とあるが、大阪屋砂場の記録が無く、此処も来歴は不明。

・赤坂砂場(未食)  港区赤坂6  昭和39年
 室町の支店 開業時の切り盛りは室町の弟

・各地の砂場
 大正13年(1924)頃 上記砂場とは全く別個に、神田多町に砂場と名乗る店が誕生し、以後多数の店ができたとのこと。
 そのため、上記以外の砂場は、この系統だろうと考える。

更科系(何れも本店では食した記憶が無い)
・永坂更科布屋多兵衛  港区麻布十番1  昭和24(1949)年
 キーワードノート:更科そば(以下2店も同様)によると、創業は寛政元年(1789)だが、7代目が昭和16年に廃業した。
 現在の店は、7代目と麻布十番商店会会長とが戦後に麻布飯倉で再開したもの。
 この店も一度閉店したり、店名使用の裁判沙汰等で、味の継続に疑問があるため、更級系は系譜を追う意味が乏しい。 

・麻布永坂更科本店  港区麻布十番1  昭和前半
 戦後の創業だが時期は布屋より早い。店名の使用許諾を7代目から受けた者が「永坂更科本店」の名で開業。
 多兵衛と裁判になり勝訴したものの店名を変更した。

・総本家更科堀井  港区麻布十番1  昭和58年
 8代目が独立 裁判の結果、現店名になる
 創業者と直接縁があるのは以上の3店だけ

金碇庵(未食)  中央区日本橋蛎殻町1  天保2(1831)年
 17時開店のため未食 居酒屋的雰囲気が濃厚

あさだ(未食)  台東区浅草橋2  安政元(1854)年
 店先の雰囲気は、そば屋というより小料理屋風。
 ホームページに「中野で穀物商を営んでいた 初代・浅田甚右衛門がこの地に手打蕎麦屋を開いて150余年。江戸前の伝統技術と心意気を受け継ぎ続けて八代目になります」とあるので、他の系統とは交流していなそう。

あさだ 中央区八丁堀3  明治25(1892)年
 小柱のかき揚げが有名
 初代が働いていた製粉屋の社名「あさだ」をもらって蕎麦屋を開いたということなので、浅草橋とは無縁だろう。

蓮玉庵  台東区上野2  安政6(1859)年
 半世紀以上前の子供の頃によく連れて行ってもらった店。
 15年ほど前行ってみると綺麗に改装してあったが、空いていた。
 原因は明らかだが、かつては藪と競っていたほどの有名店だったのに寂しいことだ。

尾張屋  台東区浅草1  明治3(1870)年
 雷門通りに本店と支店。
 連れにとっては、墓参りの後、大鳳様の後等に父親に連れられて入った思い出の店。
 そのためか、天ぷら蕎麦を頼むが、私は天南が好き。
 巨大なエビ天丼も有名。それにしても、隠し包丁でエビを大きく見せるテクニックはすごい。

藪系
・かんだやぶそば(淡路町の藪) 千代田区神田淡路町2  明治13(1880)年
 藪系の総本山。 雰囲気上々、盛り少ない、鰹節の香り高し、燗酒旨しと、江戸の典型的な老舗蕎麦屋。
 木鉢会の自己紹介では、「幕末の頃より本郷団子坂にあった「つたや」(竹薮が多く、やぶそばの通称を得ていた)の連雀町店を、明治十三年(1880年)に堀田七兵衛が譲り受けて、「藪蕎麦」の屋号で営業を開始いたしました。その後、団子坂本店の廃業により藪蕎麦本店としての看板を受け継ぎ、今日に至りました」とある。

・上野藪蕎麦総本店  台東区上野6  明治25年(1892)
 老舗の中では納得できるお蕎麦やさん。上野に行くと、有力な選択肢なのだが、近頃は行列でなかなか入れない。
 淡路町からの暖簾分けだそうだが、血縁が無いためか、藪では傍系らしい。

・浜町藪そば  中央区日本橋浜町2  明治37年(1904)
 淡路町から暖簾分け。特別感は無いが、おかめに入っていた鈴廣のかまぼこが美味しかった。

・並木藪蕎麦  台東区雷門2  大正2(1913)年
 淡路町創業者の3男が分家。常に大行列
 鰹節の香りの高さは良。単価は特別高いわけでないが、量の少なさで結果的に高くつく。

・池の端藪蕎麦  台東区湯島3  昭和29(1954)年
 並木創業者の3男が分家。お酒は良かったが、蕎麦は評価を控える。

・人形町藪そば  中央区日本橋人形町1
 藪睦会に加入している。私の子共の頃はどこにでも普通にあった街の蕎麦屋。
 ねぎ南などという、形容矛盾のメニューが珍しくて美味しかった。
 玉ひでのもう一本兜町よりの路地。

・吾妻橋やぶそば(未食)  墨田区吾妻橋1
 淡路町からの暖簾分け

能登冶(未食)  港区新橋3  この地では明治16(1883)年
 鴨南はこの店が始めたとか。
 木鉢会の自己紹介では「安政年間に、初代七尾安兵衛により現在の赤坂あたりで能登屋として創業。明治16年頃 二代目次郎吉により現在の地へ移転、店名を明治の“治”をとり、能登屋より能登治に改名」などとある。

神田まつ屋  豊田区神田須田町1  明治17(1884)年
 街の普通のお蕎麦やさんを老舗界の一角にまで育て上げたのは立派。
 世話になったと聞く淡路町の火事の時の裁きは見事だった。
 この店でケチな私が注文するのは天南。また、昔テレビで見たカレーうどんのレシピを愛用している。
 なお、今の主人の姉妹はすごい美人だったと聞く。 

翁そば(未食)  台東区浅草2  大正3(1914)年
 演芸ホール向かいの路地奥。浅草で昔から有名な店だそうだ。
 翁・達磨グループとは無縁。

神田尾張屋(未食)  千代田区神田須田町  大正9年
 中央通り神田駅近く。

利休庵  中央区日本橋室町1  昭和27(1952)年
 三越前の有名店 値段は少し高めだが、味・量共に納得できる店。

角萬  台東区竜泉、墨田区向島の2店舗
 大盛り、冷や肉、太くて堅い蕎麦で有名。グルマンには絶大の支持を受けているが、私にはもう無理

ほそ川(未食)  墨田区亀沢1 
 ミシュランの星があるとか かけ・もり千円 両国駅近く

都外
一茶庵本店  栃木県足利市  昭和29(1954)年
 創業は、1926(大正15)年に新宿。以後各地へ移転の後、現在地で再開。
 鰹節の香りが立つ付け汁は絶品。特に蕎麦湯を足した時の香りは至福でした。

たきざわ 長野県松本市  
 三才山 天然のキノコを使った蕎麦が食べられる。
 店主は暖かいのを薦めるが、私は冷たい方が好み。

弁天本店 長野県松本市  明治10(1877)年
 松本のお城と駅の中間 行った記憶のみ

本家尾張屋 京都市中京区烏丸御池  寛正6(1465)年(室町時代)
 名乗りは「御用蕎麦司 本家尾張屋」という大層なもの。
 創業時は菓子屋のため、蕎麦饅頭などの菓子類も販売している。
 宝来そば(2,160円)と利休そば(1,188円)が有名。暑いときなら夏野菜蕎麦がうまい。
 小丼(378円)という玉子丼を追加すると男でも満足するはず。
 此処の出汁は、旨みと風味が強く、京都風=薄味は嘘だと感じさせるくらいだったが、近年は薄くなったと感じる。

長坂 翁  山梨県北杜市
 高橋邦弘という名人が最初に開いた店と聞いたので行ってみた。
 蕎麦は普通に美味しいが、つゆは「にんべん」以下でガッカリ。

弥生軒  千葉県我孫子市
 我孫子駅構内の駅そば。唐揚げ2枚入りそば540円がすごいことで有名。
 私と同様、入場券を購入して食べる人も少なくないという。
 見本写真はさほどでもなさそうだったが、現物の方が二回りほど大きくて、完食するのに苦労した。
 この手の店で味を云々するのは野暮。でも、駅そばとしてはかなり上の部類。
 Bグルに興味がある者なら、一度は食べておくべきだろう。但し、一般人が試すのは唐揚げ1枚+卵の親子に留めた方がよい。

by hisasyounoosamu | 2017-06-26 14:40 | 東京都